【山梨】ラジウムで健康増進、「増富温泉郷」

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山梨県北杜市、中央自動車道須玉ICから日本百名山に数えられる瑞牆山(みずがきやま)方面へ車で約30分、深い山間に「増富温泉郷(ますとみおんせんきょう)」はあります。以前は増富ラジウム鉱泉という名称で知られていて、温泉は超微量ラジウムを含んだアルカリ性の源泉温度25度前後という温湯(ぬるゆ)です。

温泉を使用している施設は本谷川に沿って旅館、民宿あわせて6軒と1軒の日帰り温泉があります。源泉は施設によって多少成分量は違いますが、茶褐色をした含放射能・二酸化炭素・ナトリウム・塩化物温泉です。環境省より国民保養温泉地に指定されています。

須玉ICから国道141号線、県道601、604号線を須玉川の支流塩川沿いを上っていきます。途中韮崎市からの県道23号線、通称増富ラジウムラインに合流し、いくつかの集落を通過して約25分で塩川ダムのダム湖、みずがき湖にぶつかります。みずがき湖から先は「増富温泉郷」を含め“秩父多摩甲斐国立公園”です。みずがき湖にはビジターセンターがあり、食堂やお土産ショップなどがあります。みずがき湖から「増富温泉郷」までもう少しです。ここまでの道路は2車線の舗装された山道ですが、よく整備され走りやすいです。

JR中央本線韮崎駅からは増富温泉行きの路線バスがあります。

医学効果の高いラジウム温泉

一般的にラジウム(放射能)といえば人体に有害な物質ですが、温泉に含まれる放射線はごくごく微量で、人体に悪影響は及ばさないというのが現代の考え方です。かえって、超微量なラジウムは医学効果があり、鎮痛効果、がん治療効果、再発防止効果、病気の進行抑制効果、老化防止などにいいといわれています。温泉内のラジウムは蒸発するとイオン化し、空気中に漂い、それを吸うだけでも健康な人の細胞活性化に有益な影響があります。

「増富温泉郷」は秋田県の玉川(たまがわ)温泉、鳥取県の三朝(みささ)温泉とともに、ラジウムの含有量が多いといわれている温泉で、病後療養に訪れる人が後を絶ちません。特にがんの術後回復、再発防止のために長く逗留する湯治客が少なくありません。

増富温泉郷
住所:山梨県北杜市須玉町小尾、須玉町比志
問い合わせ先:北杜市観光協会
電話番号: 0551-30-7866
アクセス:
公共交通機関/JR中央本線韮崎駅から増富温泉郷行き路線バスで約50分 
車/中央自動車須玉ICから約30分
URL:https://www.hokuto-kanko.jp/

ラジウムに包まれる「不老閣」の天然岩風呂

(画像提供:不老閣)

「増富温泉郷」を代表する温泉は、温泉宿「不老閣」にある「天然岩風呂」です。大岩に囲まれた小さな湯だまりに、地下から湧く温泉が満たされている自然のままの温泉で、湯温は17から20℃の冷泉。入るのにはかなり覚悟がいります。ラジウム含有量は増富一ともいわれ、大岩に囲まれているため全身がラジウムに包まれていて、神秘的です。肌への刺激はかなり強めなので、お肌の弱い方は気をつけた方がいいでしょう。体が冷え切ってしまうので、41℃の上がり湯が併設されています。

「不老閣」にはこのほか内湯「不老の湯」や「天然ラジウム泉 蒸気吸入室」、「不老閣霊泉」など、さまざまな温泉施設があり、増富のラジウム温泉を堪能できます。

驚異の秘湯 天然ラジウム岩風呂「不老閣」
住所:山梨県北杜市須玉町小尾6672
電話番号:0551-45-0311
宿泊料金(2名で1泊2食付き1名分):1万1000円~、自炊/9000円~
アクセス:
公共交通機関/JR中央本線韮崎駅から増富温泉郷行き路線バスで約50分
車/中央自動車須玉ICから約30分
URL:http://www.furoukaku.jp/

日帰りで増富温泉を楽しめる「増富の湯」

増富のラジウム温泉を日帰りで楽しみたい人には、「増富温泉郷」の一番手前にある日帰り温泉施設「増富の湯」がおすすめです。ひなびた温泉地にしては都会のSPAランドのような大きな建物で、男女別の温泉に食事処、無料休憩室、マッサージルーム、特産物販売所などを備えています。

泉質は含二酸化炭素-ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉(高張性中性低温泉)で、源泉温度は25~27℃くらい。自家源泉で、茶褐色をした濁り湯です。手を入れるとすぐ見えなくなるほど濁っています。

ところで、泉質をよく見ると放射能の文字がありません。しかし、検査ではラジウムは検出されています。「温泉法上ラジウム泉と表示できるほど放射性物質を含有していないので、表示はされないだけ」(増富の湯)なのです。

効能は糖尿病、リウマチ、疲労回復、病後回復、内臓疲労、更年期障害などで、飲泉もできます。飲泉は糖尿病に効果があります。

風呂は男女別の大浴場だけで、露天風呂はありません。大浴場は温度や湯の種類などによって数か所に分かれており、湯巡りを楽しめます。

25℃から37℃までの4段階の源泉風呂

大浴場は男女別になっていて、日替わりで男女が入れ替わります。といっても、湯船の形状は少し違いますが、広さや内容はほぼ同じです。

源泉風呂は4カ所。25℃から30℃、35℃、37℃に調整されています。すべて源泉かけ流しです。25℃は源泉そのままの温度で、時期や日によって27℃くらいまでの間で変化します。そのほかの湯船は加温していますが、ボイラーで直接沸かすのではなく、熱交換方式で温めています。

4つの源泉風呂のほか、39℃の真水を沸かした大きな風呂もあります。風呂から上がる前に入ると、少し冷えた体にとても気持ちいいです。

増富の湯
山梨県北杜市須玉町比志6438
電話:0551- 20-7200
入浴料金:中学生以上830円、4歳~小学生:510円
営業時間:
4月1日~11月30日 11:00~18:30(最終受付)     
12月1日~3月31日 10:00~17:30(最終受付)
URL:https://www.masutominoyu.com/#cont73

周辺に古木が多い「増富温泉郷」

「増富温泉郷」のある比志、小尾地区には国や自治体の天然記念物指定を受けた古木や巨木が多いことが知られています。ラジウムが生命力に何かしらの好影響を与えていると考えられています。

増富温泉郷から歩いて15分ほどのところに山梨県の天然記念物に指定されている「日影のトチノキ」があります。樹齢は300年以上といわれ、足場は悪いですが、近くまで行って木の精気を浴びることができます。

問い合わせ先:北杜市観光協会
電話番号: 0551-30-7866