山口県美祢市の中・東部にある「秋吉台」には日本最大級のカルスト台地が広がっています。
カルスト台地とは、石灰岩などの水に溶解しやすい岩石で構成された大地が雨水などによって侵食されてできた台地のことです。 「秋吉台」には400を越える石灰洞窟があります。
「秋吉台」にある石灰洞窟の中でも、一際大きな洞窟が「秋芳洞」です。この山口県の「秋芳洞」は、岩手県の「龍泉洞」、高知県の「龍河洞」と共に日本三代鍾乳洞として知られています。
また山口県の観光地として有名な、岩国の「錦帯橋」と並んで山口県の有名な観光スポットとも言えるでしょう。
「秋芳洞」は規模の大きな鍾乳洞で、全長は約8.8kmあり、鍾乳洞としては日本最大規模を誇ります。洞窟内には多くの見どころがありますが、「百枚皿」の奇観は巨大なリムストーンプールとして内外に例を見ない美しい眺めであり、これが自然によって作られたと思うと自然の偉大さと美しさを感じることができます。
また黄金柱と言われる巨大な石柱は独特の光沢を帯びて神秘的な雰囲気を醸し出します。 また、洞窟生物も多く、陸上ではキクガシラコウモリなど6種類のコウモリや眼の退化したゴミムシなどの小動物、地下水中でも眼が退化したシコクヨコエビやアキヨシミジンツボなどの地下水棲貝類など多くの生物が生息しています。
秋芳洞は、以前は「滝穴」と呼ばれ、神のすむ神聖な場所として、人々はあまり近づかなかったと伝えられています。明治以降、洞窟のすばらしい景観が紹介されるようになり、その後多くの観光客が訪れるようになりました。大正15年には東宮殿下(昭和天皇)がご来訪されその時に「秋芳洞(あきよしどう)」と命名されました。秋芳洞の入り口には東宮殿下が御下車された記念の碑が建てられています。
秋芳洞は日本三代鍾乳洞の中でも最も広く、また時間を要します。また秋芳洞の上にある秋吉台も、合わせて観光しておきたい名所です。秋芳洞は一大観光地として観光インフラが整備されており、入り口付近にはレストランやお土産物屋さん、駐車場もしっかりと完備されています。洞窟内は湿っていて滑りやすいので歩きやすい靴で行くことをお勧めします。