浅草寺の歴史
雷門で有名な浅草寺は、東京都台東区浅草にある都内で最も古い寺です。その歴史は628年、宮戸川(今の墨田川)で漁をしていた檜前浜成・竹成(ひのくまのはなまり・たけなり)兄弟の網に仏像がかかったことから始まります。兄弟がその仏像を土地の長である土師中知(はじのなかとも)に見せたところ、聖観世音菩薩の像であることが判明します。それから土師中知は自分の家を寺に改め、生涯を通してその仏像を礼拝供養しました。この寺が浅草寺となり、網にかかった仏像は浅草寺の本尊となったのです。
浅草寺のみどころ
風神雷神像
浅草寺の入り口にある雷門は、正式名称を「風雷神門」といいます。名前の通り、門の左右には雨風を司る風神と雷神の像が立っています。
提灯(ちょうちん)
雷門の正面に立つと、ひときわ大きな提灯が目を引きます。この提灯は1960年に雷門が再建された際に掛けられたもので、およそ10年に1度、胴体の和紙が新しく貼り替えられます。今までに合計6回貼り替えられており、最近では2020年4月に貼り替えられました。胴体とは逆に提灯底部は当初からずっと同じものが使われています。提灯の下に潜り込んで見上げれば、底部に彫り込まれた雄々しい龍の姿を見ることができます。
中見世通りと宝蔵門
雷門をくぐると仲見世と呼ばれる表参道になります。約250メートルの参道の両側にはたくさんの店が並び、土産や菓子が売られています。その先にある宝蔵門をくぐると本堂になりますが、門をくぐった後すぐに本堂に向かわずにちょっと後ろを振り向いてください。宝蔵門の裏側には高さ4.5メートル、幅1.5メートルにもなる大きなわらじが掛けられています。このわらじは、宝蔵門に安置されている仁王様の力を表しており、魔除けの力があるとされています。
本堂と常香爐
本堂には、浅草寺の起源となった本尊が安置されています。本堂に入る前に、まずは入り口付近にある常香爐(じょうこうろ)で煙を浴びます。この煙を浴びると身が清められるといわれており、本殿にお参りする前に大勢の人が煙を浴びていきます。本尊は御宮殿(ごきゅうでん)と呼ばれる厨子の中に安置されていますが、645年に秘仏に指定されて以来、誰も中を見ることができません。代わりに前立本尊という本尊のレプリカがつくられましたが、こちらも年に1度、12月13日午後2時から数分間しか開帳されず、目にするのは極めて難しくなっています。
広い境内を持つ浅草寺は、このほかにも様々な堂や塔があります。じっくり周れば一日あっても足らないくらいのボリュームですので、気に入ったところをゆっくり散策してみるのがおススメです。