日本三名泉に数えられる群馬県の「草津温泉」。毎分32,300リットルという日本一の湧出量を誇り、多くの旅館で源泉かけ流しの湯につかれます。
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泉質は強い殺菌効果のある酸性泉。ニキビや肌荒れ、アトピー性皮膚炎に効果があります。そのため草津は、古くから湯治場として栄えてきました。
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多くの人で賑わう温泉街は草津温泉の魅力です。中心には長い樋(とい)をつたって源泉が豪快に流れます。源泉は50度以上あり、そのままでは入れないため空気に触れて冷まし、各旅館に配られるのです。周囲には、たくさんの土産屋や食事処、旅館が立ち並び、そぞろ歩きを楽しめます。
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湯畑のそばにある熱乃湯では、昔ながらの湯もみを体験できます。熱い湯を水で冷ましては効能が薄れてしまうため、大きな木の板でかき混ぜて冷ますのです。歌いながら豪快にかき混ぜられる様は迫力満点です。
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草津温泉には、気軽に立ち寄れる日帰り入浴施設もあります。湯畑のそばにある「御座之湯」は、シンプルな作りながら草津の2つの源泉の入り比べができます。他にも草津伝統の合わせ湯(ぬるい湯から暑い湯までを順番に入る)を体験できる「大滝乃湯」や、緑に囲まれた大きな露店風呂が自慢の「西の河原露天風呂」もおすすめです。
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御座之湯のすぐ横、階段を登った先にある「光泉寺(こうせんじ)」。高台から湯畑を見守るように建てられており、階段からは湯畑全体を見ることができます。721年に行基菩薩がここで光る泉を発見し、それが万病に効く温泉であることから光泉寺と名づけられたのだとか。
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昔から多くの湯治客が光泉寺を訪れ、病気平癒や温泉への感謝を祈りました。そんな姿を表した湯浴み弁財天が、小さな「慈悲の泉」に祀られています。他にも湯治中に亡くなった方を供養する供養塔や、草津を訪れた歌人による歌碑など見どころがたくさんあります。