銀山温泉とは?
山形県尾花沢市の山間を流れる銀山川を上流へと遡っていくと、古い木造多層の旅館が立ち並ぶ銀山温泉に到着します。銀山川を挟むように並ぶ温泉旅館は大正から昭和初期にかけて造られ、今でも当時の姿をそのまま保ち昔とかわらぬ薫りを運んでくれます。
温泉街の長さはわずか200メートルほどですが、昔ながらの街並みは訪れた旅人の目を十分に楽しませてくれます。旅館の戸袋や看板に目を向ければ、そこには左官職人たちが自分の道具で描いた鏝絵(こてえ)があります。富士山や宝船など、鮮やかな色合いと見事な職人技が組み合わさった鏝絵には独特の味わいがあります。鏝絵を楽しみながら石畳を散歩し、歩き疲れたら道端の足湯でちょっと休憩。日が暮れてガス灯に明かりが燈ると、通りの風情はいっそう増していきます。
「延沢銀山」に由来する「銀山温泉」
銀山温泉の名前は、江戸時代初期にこの地で栄えた「延沢銀山」に由来します。延沢銀山は1631年に最盛期を迎えますが徐々に衰退していき、1689年に廃山となります。しかし銀山温泉はその後も発展を続け、昔の姿を今に引き継いでいます。
延沢銀山跡までは散策コースがあり、落差22メートルの白銀の滝や昭和初期につくられた河鹿橋を通って国指定の史跡にもなっている銀鉱跡へと行くことができます。
散策コースは20分、60分、90分の3つがあり、自分の体力と時間に合ったコースを選べるのもうれしいポイントです。
冬の銀山温泉
冬になって雪がふると、銀山温泉はまた違った顔を見せてくれます。色鮮やかな夏とは対照的に旅館も道も白一色に染まり、あたりは凛とした空気で満たされます。静かにふる雪のなか温泉街を歩くもよし、雪景色を見ながら温泉に浸かるもよし。銀山温泉は季節とともに折々の表情を見せてくれますが、どの季節もすばらしい趣に満ちています。